求めるものは衝動

平成マシンガンズ

平成マシンガンズ

喧嘩と仲直りの羅列が句点も読点もなくノンストップでただつらつらと続いていくような、そういうお付き合いだった。

冒頭の4ページ。まくし立てるような女の子の語りが僕をひきつける。けっして上手くはない。おさまりの悪い、陳腐で安っぽい言葉が、比喩がそこにはあって、そのほとんどを彼女は扱いきれていない。でもそこには、言葉とはじめて対峙したときの真剣さがある。それまでは、ただ「みんな」の中で通じる言葉をしゃべっていればよかったのに、「自分の言葉」を使わなければ語れないなにかに出会い、その語るべきなにかを語るために必要な言葉を自分の中に必死で捜して、かき集めて、でもそれは「自分の言葉」なんかじゃなくて、だけど、語ることはとめられない、今この手でつかめる言葉で語るしかない、そんな衝動がある。
三並さんは、小説家になるんだろうか。小説家として生きていくんだろうか。言葉に対する真剣さをうしなわずにいてくれるだろうか。