大きすぎる問い。

性交と恋愛にまつわるいくつかの物語

性交と恋愛にまつわるいくつかの物語

丸腰で源一郎の小説を読むのは無謀だったのかもしれないと思った。眉間にしわがよって、脳みそに何らかの力が働いている感じがするのだけど、何一つ言葉にならない。にごってドロドロした何かの溶液があって、その溶液を圧縮するんだけど、溶質を目に見える大きさに結合させることができない、というイメージだろうか。
突きつけられた「問い」が僕の脳の処理能力を超えている時に、僕はこういう状態に陥るようだ。「思考」以前、「言葉」以前の、「感情」とも異なる何か。
わかっていることが一つだけある。それは、「問い」は言葉であり、「何か」を表現しうるのも「言葉」だけだということ。